「おいしい信州ふーど」レポート
小諸駅前・相生町商店街にある「HARADA」は、老舗そば店とイタリアンベースのレストランが融合したお店です。小諸駅が開業した翌年、1898(明治31)年に創業。「初代が店を始めたときは、この通りが町の最先端。新しいことにチャレンジする姿勢も代々受け継いでいるのかもしれません」と5代目店主の原田良太郎さん。店内にはその歴史が分かる写真や、料亭や喫茶など、各々の代が学び、力を入れていたことの名残を感じさせる看板や道具なども飾られています。
「ひしの南蛮の鉄板焼きナポリタン」は、ひしの南蛮を刻んでパスタと一緒に炒め、半分に割ったものを大胆にトッピング。熱々の鉄板ならではの、香ばしい焼き目にもテンションが上がります。実は、ナポリタンは通常メニューにはなく、夜、お酒を飲みにくる常連客からのリクエストで出すといういわゆる「裏」メニュー。妻の由美子さんは「地元の人たちにとっては、ひしの南蛮を砂糖としょう油で味付けしたものは、『家庭の味』。せっかくお店で出すのだから、それとは違ったイメージ、食べ方を楽しんでもらいたくて、この組み合わせができました」と笑顔を見せます。
地産地消にも積極的に取り組む同店では、ほかにも小諸産の食材を用いたメニューを提供しています。黒大豆を使った味噌をベースに作った肉みそ「こもろん味噌」をミートソース風に仕上げた「コモローゼ」や、ねっとりした食感の「白土ばれいしょ」とホワイトソース、モッツアレラチーズをのせた「ホワイトピッツア」など。商店街では、「地元の人が、地元の食材を知るきっかけになれば」と定期的に夕市を開いています。「近くのスーパーに行くと、青果売り場に県内産の文字はあっても、小諸産の文字は見当たらない。地域名を記した野菜や果物が増えてほしいです」と良太郎さん。由美子さんも「直売所へ行けば買えますが、もっと気軽に手にできるようになったらいいですよね」とうなずきます。
HARADA
TEL:0267-22-0253
住所:小諸市相生町2-2-1
⇒ 信州の伝統野菜「ひしの南蛮」(「おいしい信州ふーど」図鑑)