「おいしい信州ふーど」レポート

協力することで、地域が盛り上がり一つになるなら

長野県を代表する郷土食の一つ、おやき。具材の一つとして山口大根を使ったおやきが上田市内の5店舗で販売されています。

山口大根のおやき

上田市中央の「やまざきや」は、1956(昭和31)年創業。湯ごねした生地を使ったおやきは、モチモチした食感が特徴です。2代目・山崎一男さんは「最近は地産地消と言われるけど、地元のものが少ないこともあって、あまりこだわってはいません。あるのなら、せっかくなので使ってみようという感じですね」と話します。

山口大根のおやき
山口大根のおやき

山口大根を使うようになったのは、長野大学環境ツーリズム学部の古田睦美准教授が菓子組合に来たことがきっかけでした。古田准教授のゼミの学生が、山口大根の普及に取り組み始めたのは2002年ごろ。「山口大根の会」にも立ち上げ当初からメンバーとして参加していました。2008年には「おやきの具にして、新名物にしたい」と活動を開始。2012年には市内の福祉作業所に協力を依頼し、山口大根の切り干しを完成させました。

山崎さんは、できあがったおやきを持って店を回ったり、イベントに出店してPRしたりする学生たちを、ニュースで見て知りました。それまで店で扱っていた切り干し大根は宮崎産がメインでしたが、「地域で何かするのなら、できる限り協力したい」と山口大根を使ってみることに。近年は、山口大根の会から直接、届けてもらっています。「最初は太くて、素人っぽい感じもあったが今は改善されてよくなった」と山崎さん。以前使っていたものよりは少し太めなので、食感の違いを感じるお客さんもいるそうです。

山口大根のおやき

切り干し大根のおやきは通年扱っていますが、山口大根を使ったものが登場するのは11月ごろ。そこからなくなるまで続きます。「昨年は春ごろまでだったけど、今年はたくさん採れたと聞いているからもっと続けて出せるかな」。最近は、食べ歩きのお客さんも増えているそうです。「お客さんも地元のものを使っているって分かるとちょっとイメージが変わるんじゃないかな」と山崎さんは笑顔を見せます。

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