「おいしい信州ふーど」レポート

豊かで清冽な湧水で育つ、“海なし県のブランド魚”信州サーモン

雄大な北アルプスの豊かな雪解け水が流れ込む安曇野は、日本有数のニジマス養殖の盛んな地域でもあります。訪ねたのは、県水産試験場のすぐ近くで養殖業を営む「辰巳」。豊富な湧水を活用して、ニジマスやイワナ、そして信州サーモンなどの川魚の養殖・加工・販売を行っています。看板商品の一つ「円(つぶら)揚げ」は、新鮮なニジマスを開いてフライにしたもので、学校給食でも人気です。

年間を通して水温差が小さく、水量も豊富な安曇野の湧水
水車を回して水中に酸素を送り込んでいる信州サーモンの生簀(いけす)

安曇野の湧水は、夏は15℃、冬は10℃ほどで年間を通じて水温が大きく変化しないという利点があります。生簀(いけす)では24時間水車を回して、水中に酸素を送っています。淡水で育てると身が赤くならないため、専用のエサにはアスタキサンチンを加えています。与えるのは、朝夕1日2回。ここで3年かけてゆっくりと信州サーモンは大きくなります。二代目となる社長・高原正雄さんは「淡水で育てると塩分を排出できず、体内にため込むのでストレスがかかる。その分、じっくりと時間をかけて育てます」と話します。

「信州サーモン振興協議会」の会長も務める、(株)辰巳の高原さん

2010年5月、県内で信州サーモンを養殖する業者が県と連携し、「信州サーモン振興協議会」を設立。現在、高原さんは協議会の会長を務めています。2011年には、「品質を維持向上させて信州を代表するブランドにしようと活動している(継続発展性)」も評価され、信州ブランドアワードで大賞を受賞しました。「年々、人気も高まり、生産者たち自身も、スモークやソフトトバなど新しい商品を開発しています。今後も、さまざまな人たちと協力しながら、ブランド力を高めてさらなる普及に努めたいですね」と意欲を見せます。

信州サーモン

株式会社辰巳
TEL:0263-62-4628
住所:安曇野市明科中川手2795-1
営業:月〜金 8:00〜17:00/土・日・祭日 8:00〜12:00

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