長野県におけるニジマスの養殖は、100年ほど前に安曇野市で始まり、信州サーモン、信州大王イワナなどを含むマス類全体の生産量が全国1位です。 また、ニジマスはその育てやすさからブランド魚の開発が進められ、信州サーモンの母親にもなっています。
冷涼な気候、清冽で豊富な水資源、先達から脈々と引き継がれてきた類稀なる養殖技術が、信州のマス類養殖を支えています。
長野県におけるニジマス養殖の歴史は大正時代、明科町(現在の安曇野市明科)に「明科養鱒場」が誕生したことから始まります。安曇野は、冷水性のニジマスの飼育に適した5〜10℃の水がこんこんと湧き出ており、この自然の恵みを活かして、魚の養殖や研究・指導を行う拠点ができたのです。その後「明科養鱒場」は「長野県水産指導所」(現在の長野県水産試験場)へと名前を変え、昭和38年には養殖ニジマスの冷凍技術と輸出を普及させました。
安曇野市を中心に、県内各地の養魚場では、毎日エサをやり、池に適量の水が引き込まれているかなど、1日に何度も確認します。1年半ほどかけて育てられた「ニジマス」は、県内の直売所やスーパーなどへ出荷されていきます。
全長20センチメートル(100〜150グラム)くらいのものは、塩焼きをはじめとする和食や洋食、中華といずれの料理方法にもマッチします。大きく育ったものは、お刺身としても食べられています。
秋に産卵期を迎えるニジマスは、産卵期前の夏が旬になります。