信州サーモンの秘密に迫る
- どうして身は紅色なのですか?
アスタキサンチンを含むエサ
サケ・マス類の身の紅色は、 オキアミなどのエサに含まれる「アスタキサンチン」という色素がもと。 信州サーモンにも、 食品安全委員会の健康栄養評価で安全性が保証されている「アスタキサンチン」を与えています。 なお、 このアスタキサンチンには優れた抗酸化作用があり、 栄養補助食品や化粧品にも使われています。 いわば魚版サプリメントなのです。- 信州サーモンはサケ?それともマス?
- 信州サーモンは、 サケに負けない大きさと銀色の身体、 身の紅色から“サーモン”と名付けられましたが、 サケとマス、 呼び名こそ違えど、 実は生物学的には区分はないのです。 ちなみに、 日本におけるサケ・マスの呼び分けの変遷ですが、 かつて日本人にとってのサケ・マスは、 サケ(シロザケ / 白鮭)とサクラマス(桜鱒)でした。 その後、 遠洋漁業の発達などにより、 ベニマス(紅鱒)、 ギンマス(銀鱒)と呼び分けられた魚が身近なものとなりましたが、 これらは、 流通させるにあたって高級感があるということで、 ベニザケ(紅鮭)、 ギンザケ(銀鮭)という呼び名で販売されるようになり、 それが定着して今日に至っています。
- 生で食べても大丈夫ですか? 寄生虫が心配です。
- サケ・マス類の寄生虫「日本海裂頭条虫(通称サナダムシ)」への感染は、 近年の研究で海で起こっている可能性が極めて高いことがわかってきました。 つまり、 試験場で生まれ、 海とのつながりのない信州サーモンは、 サナダムシが寄生する機会はないのです。 実際、 これまでに6,300件もの検査を行なっていますが、 寄生虫がみつかったことは1件もありません。
- とろけるような味わいですが、 カロリーは高くありませんか?
- 養殖されたアトランティックサーモンなどは、 低タンパク・高脂質・高カロリーで敬遠されることもありました。
しかし、 信州サーモンは高タンパク・低脂質・低カロリーで野生魚に近く、 ヘルシーな食材なのです。 その成分は非常においしいといわれるサクラマスの成分によく似ています。 - 染色体操作は本当に安全ですか?
- 染色体操作は、 遺伝子組み換えとは違い、 魚がもともと持っている染色体の組み合わせを変えるだけ。 だから、 食品としての危険性はまったくありません。 染色体操作により三倍体の魚を生み出すためには、 水産庁が制定する要領を遵守し、 確認を受けた魚種のみしか生産することができません。 もちろん、 信州サーモンは水産庁の確認を受けた安全な魚です。
- 人がつくり出した魚、 自然界に影響は?
- 信州サーモンは長野県水産試験場でのみ受精させることができ、 そこで稚魚まで育ててから、 長野県内の養魚場のみに供給され、 出荷を迎えるまで育てられます。 こうした徹底した管理のもと基本的に自然界に出ることはありませんが、 万が一自然界に出ても、 繁殖できないことから、 その影響は極めて小さいと考えられます。