平成13年、長野県は信州ならではの特色ある食材で地域を活性化することを目指して、よりおいしくて、さまざまな用途に使える地鶏の新品種開発に取り組みはじめました。そこから約4年の歳月をかけて長野県畜産試験場で開発されたのが「信州黄金シャモ」です。
さまざまな交配で試行錯誤を繰り返した結果誕生した「信州黄金シャモ」は、父鷄に「シャモ」、母鶏に「名古屋種」と、いずれも日本で古くから飼育されてきた2種類の地鶏を掛け合わせて生まれました。両者の血を引き継ぐ「信州黄金 シャモ」は、黄金色に輝く美しい羽に、引き締まった中型の勇壮な姿、そしてなによりそのおいしさが特徴です。また、丈夫で性格も温厚なため飼育しやすい品種でもあります。
信州黄金シャモは、食品のおいしさの決め手になる栄養素「アミノ酸」の中でも、うまみを感じるグルタミン酸とアスパラギン酸、そして甘みを感じるセリンという3種類が非常に多く含まれています。この3種類のアミノ酸に由来するうまみ成分を含んだ肉汁が口の中にジュワッと広がって、おいしさを存分に味わうことができます。地鶏ならではのしっかりとした歯ごたえもあり、噛めば噛むほど溢れるうまみを感じられます。また、脂肪分とカロリーが少ないこともおいしさの特徴です。
つまり、信州黄金シャモは地鶏ならではのおいしさを、たっぷりの肉汁とともにヘルシーに堪能することができるのです。そのおいしさは全国的に高く評価されており、「地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」のグランドチャンピオン大会で最優秀賞(=グランドチャンピオン)に輝いています。
のびのび元気に走り回れる広いスペースで飼育される信州黄金シャモは、ストレスなく健全に育てられます。たっぷりと走り回ることで筋肉が発達し、しっかりとした歯ごたえのあるおいしい地鶏に育ちます。また、トウモロコシなどを含む栄養バランスの良いえさを食べることで、口溶けがよく、口の中でとろけてまろやかなうまみを感じさせてくれる脂がつきます。
そして、ブロイラー(一般的な肉鷄の品種)の約3倍、120日以上の時間をかけて大切に育てられた信州黄金シャモは飲食店などへ出荷されていきます。
焼き鳥や照り焼きにすると、その美しい黄金色の見た目とともに、あふれる肉汁や歯ごたえを楽しむことができます。また、鍋料理や鶏南蛮では、深いうまみと豊かな風味が溶け出し、野菜などもおいしくいただけます。