ひんやりとした風が吹く高原にたたずむ、 とある牧場。 ここは「信州プレミアム牛肉」を世に送り出している農場の一つです。
おいしい牛を育てるポイントは、 血統5割、 エサ2割、 残りの3割は愛情と牧場主さん。 食事以外のほとんどの時間を牛舎で過ごし、 牛に病気やストレスがないか目を配ります。 とりわけ、 牛舎では常に明るく、 歩くのもエサをあげるのも牛のペースに合わせます。 そうすると牛はストレスが減り、 エサをよく食べるのだとか。 そんな日々の積み重ねは、 牧場主さんの腕をなめたり、 服をくわえたりする、 牛のリラックスした姿に表れています。
「いい牛が評価される制度で張り合いがある。 でも、 いい牛を育てていくことに何も変わりはないよ」と、 確かな自信を秘めた温かな笑顔を見せてくれました。
おいしさの基準であるオレイン酸を測定するのは、 県が認定した食肉流通業者。 ここの保冷庫には、 「信州あんしん農産物」生産認定農場から運ばれた牛が枝肉となって、 ずらりと並んでいます。
今、 まさに計測が行われている1頭の牛肉は、 ほかに比べて細かいサシも多く、 赤身の部分が鮮やかなピンク色で、 見るからにおいしそう。 オレイン酸は専門の格付員が専用の測定器を使って判定します。 そして目の前の牛肉は、 見事「信州プレミアム牛肉」の認定基準を満たして、 県内の飲食店に納品されることになりました。
「制度ができたことで、 なぜおいしいかを数値で説明できるようになり、 説得力が増しています」と食肉流通業者スタッフ。 さらに「これだけの数値を出せるのは、 農家が丹精込めて育てているからこそ。 その思いを数値という説得力をもって伝えられることがうれしいです」と胸を張って語ってくれました。
食肉流通業者から「信州プレミアム牛肉」を仕入れて販売する精肉店は、 長野県から「取扱店」として登録され、 店頭には、 プレートや幟とともに「信州プレミアム牛肉」の番号を記した認定証が掲げられています。 販売する牛肉にも同じ番号が記され、 同じ牛肉であることがわかります。
「認定する制度がなかっただけで、 質としてはこれまでも同じ良質な牛肉が流通していました。 この制度によって、 本当にいいものを消費者の方が選びやすくなったと思います」と取扱店の店主。 常時取り扱うことができる店も増えつつあります。
自宅でおいしく調理するためには、 30分ほど室温になじませることがポイント。 火の通りにムラをなくし、 かつ、 脂と赤身がほどよくなじむのだとか。 さらに「牛肉の脂に甘みがあるので、 塩こしょうでシンプルにいただくと、 よりおいしさが引き出されます」と教えてくれました。
「信州プレミアム牛肉」を使った新メニューを開発するのは、 長野県内で腕を振るう料理人。 「どの部位も魅力的ですが、 特に興味を持ったのがモモ肉。 一般的に赤身が多いモモ肉ですが、 信州プレミアム牛肉には十分なサシが入っています。 女性や年配の方でも胃もたれすることなく、 美味しくいただけるところが特徴です」と料理長。
「信州プレミアム牛肉」には、 ヒレやロース、 サーロインなどいろいろな部位があり、 しゃぶしゃぶやすき焼き、 ステーキなど、 さまざまな調理方法がありますが、 共通するのは肉そのもののうまみを生かしたシンプルな味付けと、 サシのとろける食感を味わうために火を通しすぎないこと。
「自信をもってお客様に薦められる、 質の高い牛肉です」と、 料理長のお墨付きをいただいた「信州プレミアム牛肉」、 ぜひ味わってみたい牛肉です。