進取の精神と勤勉な県民気質による農業革新
山々に囲まれ閉ざされた信州。そこで耕作を行う人々には「先進性」と「勤勉性」が必要不可欠な気質でした。その気質が農業革新の柱となり、信州の農業を進化させています。
完備した農業用水(疎水)
水が絶えることがない豊かな農村・農業地が今日あるのは、先人たちの努力によるもの。
県内には農林水産省が認定する疎水100選110ヵ所のうち、全国でも最多の5ヵ所が選ばれています。
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水稲の「稚苗の箱育苗技術」の開発
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箱育苗は寒冷地の保温育苗技術で、昭和30年頃に長野県農試雪害試験地で考案されています。当時は大苗が当たり前で、稚苗の発想さえ無かった時代です。そこで考案された画期的な稚苗直植えが田植機の普及に大きく貢献しました。
りんごのわい化栽培への取り組み
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樹高が人の背の高さほどになるので、作業効率がよく、お陽さまと風がりんごの木を健康に成長させます
わい化栽培は、木があまり大きくならないような矮性台木(わいせいだいき)を用いて果樹の高さを低くする栽培方法で、背の高い木に脚立を使わず収穫でき、陽射しがまんべんなく当たるという利点があります。
近年では新しいわい化栽培技術を取り入れた「新わい化栽培」の導入が進んでいます。
環境にやさしい農業の推進

消費者、生産者双方の信頼のための制度が「環境にやさしい農産物認証制度」と「エコファーマー制度」です。
農薬・化学肥料の使用料を抑え、環境への負荷を軽減させる取り組みで、積極的に取得する生産者が増えており、消費者の期待に応えています。
消費者嗜好に基づく絶えざる品種更新
農産物の生産が拡大するにつれて、消費者の要求も高まるというもの。
その要望に柔軟に対応する研究開発が、農業・果樹・野菜・畜産他各地試験場で盛んに行われています。
<フルーツ・野菜>
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鮮やかな赤色に色づき、強い甘みとジューシーさが魅力
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黄色に色づき、甘みと酸味のバランスとパリッとした食感が特徴
- どっとデルチェ
北信を中心に栽培している多収性のアスパラ - 南水
強い甘みと日持ちの良さで人気が高い
<信州サーモン>
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赤色の肉が美しく、刺身やスモークに最適
<信州黄金シャモ>
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歯ごたえ、旨み、風味の三拍子そろった新食材